木はとても傷みやすい素材であるため、塗装を施さないと長持ちしません。加工した木材は、本来なら木を保護する役目である皮が削られたむき出しの状態となっています。そのため、木の耐久性を保つには、塗装による保護が不可欠となるのです。しかし、塗装を行うことによって木の呼吸を妨げてしまう恐れもあります。また、本来の色や、木目を活かすことも考慮しなければなりません。木部塗装の際には、木材の種類に応じて適切な塗料を使用し、ベストな方法で塗装することが必要になってきます。さらに、施主が希望する色や、室内と調和した色を表現すること、またシックハウスなどのアレルギー対策や自然環境なども考えて施工する必要があります。

木部の理想的な塗替えの時期は3～5年と短いため、定期的に塗替えをしなければなりません。定期的に塗替えを行うことで、耐久性を維持し、きれいな状態を保つことが出来るのです。適切なメンテナンスを行えば、末永く使用出来るのも木材の特長です。

ここでは木部塗装の標準的な施工手順をご紹介しますが、木部塗装では木材の状態によって手順は大きく変わります。木という扱いの難しい素材だけに、中々決まった手順通りにはいかないのです。木部塗装で特に重要な工程は、素地調整と上塗り前のペーパーがけです。綺麗に仕上げるためには、木を完全に補修（リペア）する、上塗り前にペーパーをかける、この工程をきちんと行うことが重要になります。

塗装する木の調整です。まず汚れを徹底的に洗浄し、大きな傷・割れ・凹みを補修（リペア）します。そして、木目に沿って丁寧にペーパーがけします。

施主が希望する色や、室内に調和した色で着色します。

シーラーを使用して薄めに塗装します。木の素材や状態によっては、重ね塗り（中塗り）を行います。上塗りの接着剤の役割も果たしています。

下塗り後の塗料の凹凸を処理します。このペーパーがけを行うことで、さらに良い仕上がりになります。

素材や仕上がりの状態を考慮しながら、数回の塗装を行います。ツヤ出しの効果もあります。

入念なチェックと微調整を行い、洗浄して仕上がりです。